えいぐのん通信

氷河期世代を生きた 土建屋さんのお話

労働災害事例 土建屋ホイホイ

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作業員の安全衛生教育に

 

https://www.rodo.co.jp/column/91384/

 

 

 

20年携わって個人的に激ヤバだった

災害時例のご紹介

(ヒヤリハットで済んだけど)

 

細心の注意を払っても

自然に勝てなかった

 

工事内容は下水管敷設工事

現場の地質は

1.5m掘れば水湧き砂砂利玉石層のクソ現場

 

掘削深は1.8~2.6mくらい

事が起きた時は 2.5mの区間

φ100の水道管(耐震管)が1.3m深に敷設してあり山砂で埋め戻してあった

掘削幅と被る超絶接近 危険区域

 

下水の山留(シートパイル)と既設水道管とビッタリくっつくレベル

 

ジャッキでシートパイル掛けながら

1スパン分(長さ4m)掘っていく

水が湧けば水中ポンプで上げるが

常にベチャベチャ

 

最後に細心の注意を払いながら

腹起こしをセットしジャッキをかけ直し

写真写りがいいように

シートパイルを綺麗に刺し直したり

出っ張った箇所をスコップで削る

(この際でもボロボロ崩れてくる)

 

 

正直無駄な作業だなと思いつつも続ける

 

周りのアスファルト舗装少し動いた気がしたのと

「コンコン」「サラサラサラサラ」と砂と小さい石が山留の裏で崩れてる音もしていた

 

「なんかやべぇな」と気付き

下に周知し全員 上に上がらせた数分後

 

バサッと言う音(多分山砂が崩れた音)

ドスッと言う音(多分水道管が落ちた音)

 

ガシャーンと

 

綺麗に組んだ土留め材も支保出来る箇所が無くなりアッサリ崩れた

 

華麗な三連コンボ

 

目が点になったよね

 

幸い、1人も怪我人無く、目立った破損も無く水道管は少し落ちただけで破裂になることもなく ジャッキや色々使いこなしこれ以上行かないように処理

 

崩れた山砂材を回収し埋め戻し作業に取り掛かりその日は終わり

後日、シールドタイプの山留材を借り

工事を進めなんとか終わらせた

 

私は最初から シールド一つか二つ用意した方が無難じゃね?と思い 監督に懇願したが

「低予算だから無理無理 なんとかやってよ」の一言で一蹴

 

 

 

多分「下水屋」さんならわかると思う

水湧き砂砂利玉石層に下水管敷設だなんて

狂気の沙汰としか思えない現場で

ロクな山留材も無いに加え

 

工事写真の為の無駄な作業(見た目第一)

 

図面通り設計通り例外は認めない

状況判断出来ない無知な現場監督や

机上の空論

その上の人間が多すぎた

 

いい監督さん いい役所の方

昔に比べると少なくなった気がする

 

もう 「こいつらに殺される」と思い

悩みに悩んで

断腸の思いで職人を引退しました

 

全てを捨てて今 なんとなく生きてます

 

 

 

事故の被害無くすのであれば

自己防衛ももちろんそうですが

低予算とか面倒臭いという

くだらない理由で

安全をないがしろにしないで欲しいなと

心から願います

 

 

長くなりましたが閲覧ありがとうございました

 

 

本日もご安全に